そこのみにて光輝く

私は,映画を観ると感情にどっぷり浸るタイプだ.

日曜日に鑑賞した映画は呉美保監督の『そこのみにて光輝く』であった,

この映画を観終わった後の気分の落ち込みは激しく,月曜の今に至るまで暗い気分を引きずっている.

その感情に任せて,書き記したいと思う.

救いようがない世界

“愛を捨てた孤独な男と愛を諦めた女が出会い,愛を求め合う”

映画のコピーとは裏腹に,描写にお伽話のような美しいラブシーンは無かった.

愛という行為の実態は生々しくグロテスクなものであるが,その手触りが感じられるような描写ばかりであった.

映画タイトルの”そこ”は社会の底辺を示しているのは明らかだが,”のみ”とは何を意味しているのだろうか.

私の解釈は次の通りだ.

愛は,救いようがない世界でのみ輝く.

そして愛とは,どうにもならない絶望的な事実に打ちひしがれた先にある救済である.

映画では結末までは描写されていなかったので,救済ではなく希望かもしれない.

それならば結末は恐らく,底から這い上がれない残酷な世界が描かれるだろう.

結び

観るんじゃなかった…

だが,とてもいい映画であった.

“底”でも普通に結婚して普通に幸せを掴める,そういう優しい世界が許されればいい.

それこそが作品に込められた強いメッセージではないだろうか.

次は明るい映画を観よう!